今日はバラの殺菌について書こうと思います。
その前に今日の庭の花は、5月の写真ですが、西洋シャクナゲです。うちでは一日日の当たらないところで育てていて、家を建てた12年前に植えて、少しずつ大きくなるのに全く咲かず。ところが今年は急にきれいな花を咲かせました。よくわからないですね。
さて本題。正直、農薬のことを書くのは気が引ける。私もそうでしたが、使ったことない人には、怖いものですよね。
ですが、実際に使う使わないは自己判断として、知ることは悪くないと思うのです。
(1)殺虫剤と殺菌剤
基本的に農薬は、国が管理していて、毒性の高いものは、使用できないことになっています。なので使用方法を守れば、人体にすぐに影響を与えることはないです。
農薬には殺虫剤と殺菌剤があって、殺虫剤は害虫駆除、殺菌剤は病気の予防と治療のために行います。
殺虫剤は虫を殺すわけで、代表的なのが、皆さんが使っているゴ〇ブリのコックローチとか、蚊取線香と似たような成分が入っています。
虫の神経をおかしくして、殺す系ですね。殺虫剤は特定の虫だけ殺す薬(人間には無害)もありますが、益虫にも人間にも何らかの影響を与える(ような気がする)。
したがって私は、殺虫剤は、アブラムシとか、ハダニとか、使わないとどうしようもない状況に限って(しかも自然農薬を優先させて)最低限のラインで使うことにしています。
一方で殺菌剤は、基本的に消毒のためなので、ハードルは大分下がります。普段から手をアルコールで消毒したりしますよね。それに近い。殺菌剤には病気の予防剤と、病気の治療薬の2種類があります。
(2)バラの病気について
基本的に「うどんこ病」と「黒星病」というのがあります。個人的にはその他の病気は無視しています。
うどんこ病は、朝と昼の気温差が激しいとき。特に春先に発生します。新しい葉が波打った状況になったなと思ったら、すでに、うどんこ病で、その後、葉に白いカビのようなものがつきます。乾いたところに発生しやすく、ビニールハウス栽培で大量発生すると聞きます。
黒星病(黒点病)は、細菌は主に土の中に眠っていて、雨がふったときに、ドロ跳ねで感染するそうです。葉っぱに黒いは斑点が出てきて、黄色く枯れてしまいます。
黒星病が蔓延すると、一鉢に葉っぱがほとんどないという事態が発生します。
当然光合成できないので、成長が阻害されます。
ちなみに我が家では、(強い品種ばかりというのもありますが)うどんこ病は、ほとんど発生しません。苗を買ったばっかりのときに少し出るくらいでしょうか。うどんこ病はニーム+えひめAIで防げると思っているので殺菌剤は使わず。(近日にやり方を書きます)
したがって、残る黒星病対策について書きます。特に長雨の梅雨と秋雨前線の頃ですね。
(3)使用薬剤
①ジマンダイセンフロアブル(予防剤)
安心な農薬として農作物や園芸に昔から広く使われています。効果が長持ちする点も良いかと思います。価格も安く500MLもあったら、2度目の購入は必要ないぐらい。
ジマンダイセンフロアブル 500ml
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バラ栽培で広く使われています。農作物にも使われています。
②サプロール(予防と治療)
サプロール乳剤 100ml
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③サンヨール(治療)
個人的には殺虫効果があるので、上の2つよりは使いたくない薬剤で、これは補助です。液体の色も紫色しています。(薄めた状態では色は当然目立たないですが
サンヨール乳剤 500ml
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④ダコニール(予防)
ダコニールは、安心な部類なのですが、致命的欠点があって、高温のときに使うと薬害が出まくる。
5月にまいて、そのときすごく暑くなって、薬害出てきたので最近は春と秋の涼しいときにしか使わないです。
ダコニール1000 500ml
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(4)ローテーションと頻度
農薬は同じものを使い続けると効果が出なくなります。そこで違うもの(正確にいうと違う成分のもの、農薬によっては名前が違って成分があまり変わらないものもある)を巡回して使う形になります。上記の農薬はローテーションOK
病気の出ないうちに(雨が降る前に)予防剤をまいておいて、病気が出たら治療薬を散布する感じです。人間の風邪をイメージしてください
梅雨の時期だと比較的強いイングリッシュローズや、健全に成長したもので2週間に1度。新苗や、比較的弱い品種は毎週消毒すると良いようです。
そして農薬をまくときの常識ですが、葉っぱの表裏にちゃんと散布する。そして風の強い日は避ける。眼鏡をするなど、使用上の注意は守りましょう。
(5)最後に
農薬を使うときは、成分や使用方法は、必ずメーカーのHPで確認して、自分で納得して使って下さい。今日は忙しいので病気の画像等がなくて、わかりにくくてすみません。
梅雨の時期なので、時期を逸しないためにサクサクと書きました。
[追記]
2018年の栽培計画をのせます
ご参考にしてください。私の場合は、有機栽培全般の中で、消毒しているので回数がかなり少なくなっています。
各月の栽培予定
①3月
芽吹きの季節 アブラムシ・バラゾウムシ ウドンコ病
消毒2回 ダコニール ジマンダイセン
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)3回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 3回
株元に くんたん やミカンの皮
庭にくんたんを上からまく
殺虫剤1回 アルバリン顆粒水和剤 1000倍に希釈して株元に潅水
②4月
つぼみがつく季節 アブラムシ・バラゾウムシ ウドンコ病
消毒2回 ダコニール ジマンダイセン
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)3回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 なし
殺虫剤1回 オルトランを株元にパラパラ
③5月
後半に一番花の開花 アブラムシ・バラゾウムシ 黒星病
消毒2回 前半ジマンダイセン サンヨール(病気になったらサプロール2000倍)
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)3回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 なし
殺虫剤1回 アルバリン顆粒水和剤 1000倍に希釈して株元に潅水
④6月
梅雨の季節 黒星病と根腐れに注意
コガネガードを使う(コガネの産卵防止と泥はね防止)9月終わりまで
鉢は雨に当たらないで日の当たるところに移動
鉢増し検討
消毒2~3回 ジマンダイセン・サンヨール(病気になったらサプロール2000倍)
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)2回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 1回
殺虫剤 なし
⑤7月
梅雨が終わるまで黒星病と根腐れに注意
鉢増し検討
夏になったら水切れ注意(暑い日は毎朝)
消毒2回 ジマンダイセン・サンヨール(病気になったらサプロール2000倍)
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)2回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 なし
殺虫剤 なし
⑥8月
暑いのでバテナイように注意水切れ注意(毎朝)
消毒2回 ジマンダイセン・サンヨール(病気になったらサプロール2000倍)
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)3回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 なし
殺虫剤 なし
⑦9月
台風シーズン 黒星病に注意
前半に夏剪定
消毒2回 ジマンダイセン・サンヨール(病気になったらサプロール2000倍)
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)3回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 3回
殺虫剤1回 アルバリン顆粒水和剤 1000倍に希釈して株元に潅水
⑧10月
秋バラがツボミをつけて開花
コガネムシが産卵しているのでオルトランで殺しておく
消毒2回 ダコニール・サンヨール(病気になったらサプロール2000倍)
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)3回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 なし
殺虫剤 オルトラン (アブラムシやバラゾウムシがいる場合には、さらにアルバリン顆粒水和剤 1000倍に希釈して株元に潅水)
⑨11月
水やり控えめ
消毒2回 ダコニール・ジマンダイセン
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)2回
置き肥 ボカシ肥料+オーガニック肥料 一回
液肥 なし
殺虫剤 なし
⑩12月
後半に葉っぱをとって軽く冬剪定
消毒1回 ダコニール
葉面散布 なし
置き肥 なし
液肥 なし
殺虫剤 なし
⑪1月
前半に必要に応じて用土替え、つるバラの誘引等
カイガラムシ撲滅
消毒 なし
葉面散布 なし
置き肥 鉢底にオーガニック肥料 表面に ボカシ肥料+オーガニック肥料
液肥 なし
殺虫剤 マシン油
⑫2月
消毒1回 ダコニール
葉面散布(ニーム+えひめAI+光合成細菌)1回
置き肥 なし
液肥 なし
殺虫剤 前半にマシン油
最後に、今日庭で咲いていたクレマチスです。癒されてくださいね。
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