こんばんは。mymykenshinです。今日は神代植物公園の秋のバラフェスタに行ってきました。
ご近所なんでフラフラっと行って500円払えば見に行けるので、ブログネタに行ってきたわけですが(^^;
なんと13:30から趣味の園芸でおなじみの村上敏氏によるバラの講演会を開催してくれるという。これは聞くしかないでしょう。ということで行ってきました。
講演は、なんと2時間にも及び、その間に、バラオタク向けの話が永遠と続き。
なんとも密度の濃い時間でした。とても2時間の内容をブログに書き起こすのはしんどいので、皆さんにとって美味しいところだけを紹介しようと思います。
当ブログは初心者でも簡単にバラを楽しめるように、品種選定から、管理方法まで以下のサイトにまとめてあります。是非いろいろ見ていってください。
①バラのトレンド
(最初の歴史は割愛)
20世紀のバラは美しさだけを追い求めたバラでした。美しい大きなバラをたくさん、しかも四季咲きのものを目指しました。
それは菊栽培の世界と同じです。大きな花を一輪天井に咲かせれば満足みたいな。
その代わり手間がかかった。週1回の農薬散布はかかせませんという世界。京成バラ園のように、お客様からお金いただいて、相当な労力とお金を使っているという。
※村上氏は京成バラ園のチーフでもあり、京成バラ園では農薬をバンバン使っているという発言です。(^^;
←公然の秘密ですね。
それが皆さんの負担になってきた。世の中不景気になってきて昔は1本何万円のバラがバンバンうれていたのに。
今は中国以外はダメ。中国は20世紀のバラがどんどん売れている。金を持っていて、大きなHTが好きだから。
年間生産量 5000万本(@_@)。ボタンみたいなバラが好き。だから20世紀のバラがどんどん売れる。
広い庭を持っている人は、多少、花形は大したことなくても、うめつくすバラが好き。
3m下がってバラを見ている。細かいところはどうでもいい。手間もかけたくない。
でも日本の家は小さいから、大きなバラは人気がない。特に都会はマンションでバルコニーガーデンが主流となっている。
ヨーロッパでも都会はバルコニーガーデンが流行っていて大きくならない系が売れてきた。
日本では庭が狭いから近くて見て、美しいバラが好き。そして都会の人は紫や茶色が好き。こういうのは近くで見るから美しい。田舎だと目線が遠くて目立たないから人気がない。
外人に茶色のバラは全然人気がない。葬式のバラとか。
茶色系で人気のバラたち(実はmymykenshinは茶色に興味がない)
→繊細でテクニックないと厳しい。
いおり Type 3
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※村上さんは、いおりは多少丈夫というイメージ
マロン TYPE3
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チャーリーブラウン
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好きな人は好き
かおりかざり
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日本人は繊細な美しさのバラが好きで、世界と逆行して花の美しさをもとめている。外人は、遠くから見て、華やかできれだったら、まあ素敵・・・で終わり。
繊細なバラは、園芸のテクニックがあるから育てられる。(つまり薬剤散布が必要)。 みなさんは手間暇かけて育てていますが、外人は基本的に手間をかけたくない。経済的余裕がない。
ここで九州の地方のバラ園の映像。予算がないところは厳しい。
何も管理しないで枯れてしまった薫乃の写真。
昔に開発された20世紀のバラは無農薬で放っておくと、どんどん小さくなって枯れてしまう。
そして日本では栽培のテクニック本が流行る。苦労して、たくさん美しいのを咲かせるのが面白い。
海外は1輪1輪はどうでもいい。派手にいっぱい咲けばいい。
特に黒星病は要注意。黒星病は、雨が降る前に薬剤散布しないと、いっぱいかかって薬剤散布しても全く効きません。
しょぼい管理の悪いバラ園でも咲いていた丈夫な品種(手入れが楽)
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ひとつひとつは大したことないけど、丈夫
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修景バラとしては良い 面をうめてくれる。一重でしょっぱいバラも広いところをうめてくれる。
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八重のノックアウト
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カナダ人が作ったので耐寒性ばっちり。そして連続開花性がすごい
ハウステンボスではノックアウトとアイスバーグ、アンジェラ
一つ一つのバラよりもずっと連続開花で写真の光景になるのがポイント
弱ったら咲かせない。
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村上さんはブラッシングノックアウトが好き
ちょっとした構築物に這わせるならオススメ。ツルバラはツルが太いので誘引が大変
②シュラブのバラについて
20世紀 京成バラ園ではマニュアルのないバラは売らなかった。ところがシュラブが登場すると、マニュアルがない。イングリッシュローズが出てきたときには困った。
シュラブはイギリスでは、ほどほどの大きさで楽しめるが、日本や東南アジアだとツルになってしまう。ツルになるということは元気になるということ。
暖かくて湿度が高いから。
ツル性に近くなるということは、春にバンバン咲いて、秋にはチョロチョロしか咲かなくなる。
もし秋も楽しみたかったら、夏にバッサリ剪定させて弱らせると、秋にも咲く。
※講義の中で剪定すると弱くなるというのは、今までの認識と少し違っていた
その代わり、剪定させて弱らせると、性質が20世紀のバラに近くなるので、栽培テクニックが必要となる(つまり農薬が必要となる)。
シュラブのバラの栽培
元気に育てたかったら、ツルをどんどん伸ばして葉を増やしてやればいい。その代わり、春がメインで、後はチョロチョロ。
鉢だったり、地植えでも、剪定をこまめにやると、秋にもよく咲く。でもそれは弱っているということ。
※そういう意味で我が家のブッシュは栽培優先で大きく剪定はしていないので、花付きは少なくて仕方ないが、最初は育成重視の方がよさそう。
④バラは無農薬で育てられるものに
農薬とかメンドくさいのはやめて、無農薬でも育てられるバラが世界中で好まれるようになってきた。
ヨーロッパでは2020年までに公共のバラは農薬散布なしをめざしている。ヨーロッパだと日本の代々木公園みたいなところに、結構なバラ園がいくつもあって。
そういうところで農薬散布しない流れになっています。
だから最新品種は強いものが多く出てきている。
レッドレオナルドダビンチ
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花もちがいい。美しい。花付きがいい。退色してピンク色になれば花をとる。育てやすい。香りはあまりない。なかなか優れもの。
冬に大きく剪定すれば、小さくかわいく咲く。
冬にばっさり切って、最初に咲くバラは短く咲くか長くなって咲くがで性格が出る。
長く咲くときは、ばっさり切るといい。
レッドレオナルドダビンチは小さく咲いてくれる。
ここでバラの家の無農薬畑の紹介。バラの家では無農薬実験場みたいなところがあって、色々なバラを植えて、手入れを一切しないで様子見。木村卓功氏が開発したバラも、京成バラ園も、そこで実験されている。
その中で生き残っているバラが写真に写されて
無農薬畑の実験場で生き延びているバラ達
レヨンドソレイユ
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しっかり直立。花もちがいい。
デュエットバルコニア
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バルコニーで育てても小さくて大丈夫よという品種
メルヘンツァウバー
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ラリッサバルコニア
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葉っぱがいっぱい。花もいっぱい
2年間無農薬で咲いているのが驚異的
その他の丈夫なバラの紹介
プリンセスシャルレーヌドゥモナコ
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香りがいい。イングリッシュローズのフレンチ版。花もちがいい
秋にすごく高いところで咲く
レッドレオナルドダビンチ
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村上氏のお気に入り
花もちがいい。美しい。花付きがいい。退色してピンク色になれば花をとる。育てやすい。香りはあまりない。なかなか優れもの。
冬に大きく剪定すれば、小さくかわいく咲く。
冬にばっさり切って、最初に咲くバラは短く咲くか長くなって咲くがで性格が出る。
長く咲くときは、ばっさり切るといい。
レッドレオナルドダビンチは小さく咲いてくれる。
ルシエルブルー
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長く咲く。村上氏も育てている
エウリディーチェ
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これはカワイイ
アミロマンティカ
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村上氏一押し
半つる性にもなる。直立して成長させても下から全部咲く。横に誘引しなくてもいい。
テクニック不要
香りが良い。秋もそこそこ咲く。
リモンチェッロ
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たくさん咲く。3年育てると良さがわかる。(最初は中途半端なバラと思ったが)
※つるにしたければ3年ぐらいは花を咲かせない。
ソレロ
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黄色のバラは弱かったが今は強いものが出てきている
コンパクトだけど丈夫で四季咲きです。
ラベンダーメイディランド
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ミニバラみたいな感じ。放っておくと大きい。刈り込めば小さくなる。扱いやすい。
アプリコットキャンディ
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手をかければ秋にも咲く。
3年ぐらい咲かせなければ立派に育つ。ただしシュラブと比較すると若干弱い。
アンドレグランディエ
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アメリカで金賞。いろんな気候で無農薬でよく育つ。ハウステンボスとかで植えてある。(花の手入れがいきとどかなくても咲く)。
マリアテレジア
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無農薬でもいける
ガーデンオブローゼズ
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栄養を蓄えて秋に咲く。鉢植えでかわいく育てられる。
だけど誘引すると化けることがある。誘引すると下からよく咲く
スーリールドゥモナリザ
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ガーデンオブローゼズと似ている。
ヨハネパウロ2世
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白薔薇は管理しにくいが、本当にすばらしい。大きくなりすぎなくて、一家に1本お勧めしたい。
ノバーリス
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今までのバラっぽいけど耐病性はすばらしい。紫なのにすばらしい。
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これも村上氏が植えている
⑤宿根草とバラ
イングリッシューガーデンはオールドローズとかイングリッシュローズの柔らかいバラと似合う。
フランスやドイツの葉っぱは、オリーブとか堅い葉の宿根草とあわせるとよく似合う。
そして宿根草とバラを合わせるなら無農薬バラがいい。農薬が必要なバラだと手間が非常に増えるから。
そして寒肥をあげるのが難しいので、無農薬でさらに肥料も厳しいのでバラの選定が難しくなる。
宿根草が枯れたのが肥料になるようにする。
なので肥料を上げて宿根草と混ぜない方が楽は楽。どっちかに決めてやると思うと。
まとめ
録音したのを書き起こしましたが、何時間かかったんだろう。
頑張りました。京成バラ園で完全な管理をする一方で、ご自宅では、ほとんど手をかけない。農薬は年に3回程度かなって。芋虫が面倒だからぐらいの雰囲気で。
宿根草と合わせることを楽しんでいます。
ご推薦のバラは正直「京成バラ園で売っているバラが8割」って感じがしなくもない。
でもシュラブの性質とか。あと、明日行くけど、京成バラ園であれだけすばらしく咲かせる本質のいったんがわかったような気がして、本当に参考になりました。
耐病性に関しては、バラの家の評価と大分ずれている。というか、観点も少し違うように思います。
村上さんとしては夏に葉っぱを落としても、秋には復活して咲けばいいんじゃないかという観点も含まれています
キムタクさんが、欧米に負けないアジアの耐病性のバラを作ろうとしているのに対し、フランス、ドイツの耐病性のバラを日本で育てて実験して、良いものを送り出している京成バラ園。
そういう世界が見れて、なかなか面白い講演でした。
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